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第99回目
第99回「繊維製品の染色堅牢度試験」について
今回は、繊維製品に対して光や汗などの表面への影響に関する染色堅牢度試験をまとめました。
染色堅牢度とは、染色された生地に対して、堅牢(丈夫さ)の評価になります。
大きく分けると、1つは染色された生地が変色したり、退色しないかを確認することと、もう一つは染色された生地が、白布(相手の生地)に対して色移りしないかを確認する試験です。
評価には、下図のグレースケールを使用します。
【変退色用グレースケール】
【汚染用グレースケール】
○ 光による色褪せの影響を知りたい
「紫外線カーボンアーク灯光に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0842)第3露光法)
※耐光試験は、1から8級までの8段階あり、8級が一番厳しい条件になります。
その中で、3級と4級が良く利用されます。
照射時間については、試験機によって微妙に異なるので、1から8級までの標準的に染められた青い布が、規定された退色になるまでの時間が試験機毎の照射時間となります。
(例)A試験機(3級:10時間 4級:15時間)照射 B試験機(3級:9時間 4級:14時間)照射
- 65mm×40mm以上の試験片を用意し、ブルースケールと一緒に試験機に取り付ける。
退色がわかるように、試験片の半分を光が当たらないように覆う。
既定の照射時間を照射させた後、2時間以上暗所に静置し、試験片とブルースケールとの変退色を比較判定する。
判定は、試験した級のブルースケールより、変退色が大きいか・同等か・小さいかを判定。
(例)3級の場合。
・3級のブルースケールより変退色が小さい⇒判定 : 3級以上
・3級のブルースケールと変退色が同等⇒判定 : 3級
・3級のブルースケールより変退色が大きい⇒判定 : 3級未満
○ 汗による変退色や汚染の影響を知りたい
「汗に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0848)
- 60mm×60mmの試験片を用意し、同じ大きさの白布に重ね合わせ、1試料は酸性人口汗液に浸し、もう1試料はアルカリ性人口汗液に浸す。
その後、ガラス板又は硬質プラスチック板に挟み、45Nの圧力をかけた状態で、37℃±2℃の乾燥機に4時間静置する。
試験片を乾燥後に、試験片の変退色及び重ね合わせた白布の汚染を、9段階にて判定する。
○ 摩擦による色移りの影響を知りたい
「摩擦に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0849)Ⅱ形(学振形)法
- 220mm×30mmの試験片を用意し、摩擦試験機に取り付けます。
20mm×20mmの摩擦子に白綿布を固定し、2N(0.2kgf)の荷重をかけた状態で、摩擦させる。
乾燥試験 白綿布が乾いた状態で、100回往復摩擦する。
湿潤試験 白綿布が水で濡らした状態で、100回往復摩擦する。
試験後に、汚染用グレースケールにて9段階にて判定する。
○ 洗濯による変退色や汚染の影響を知りたい
「洗濯に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0844)A-2法
- 100mm×40mmの試験片を用意し、50mm×40mmの白布2枚を隣り合わせに並べて重ね、粗く縫い付ける。
試験瓶に試料と石鹸液を入れ、50℃の温度で30分間回転させる。
回転後、100ml25℃の水で1分間の水洗いを2セットし、脱水、乾燥させる。
試験後に、汚染用グレースケールにて9段階にて判定する。
○ 自動車や家庭から発生する窒素酸化物(NOx)の
変退色の影響を知りたい
「窒素酸化物に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0855)
- 100mm×40mmの試験片を用意し、同じサイズの標準染色布及び補充布を試験装置に取り付ける。
窒素酸化物を注入し、プロペラを回転させ濃度を均一にする。
標準染色布が、変退色用グレースケール3-4号と同程度に退色した段階で試料を取り出す。
弱試験(1サイクル)の場合はここで終了し、強試験(3サイクル)の場合は、ここまでを3サイクル繰り返す。
試料を緩衝尿素溶液中に浸漬させ、水洗いし、乾燥させる。
変退色用グレースケールにより、9段階にて判定する。
○ 染料が高温により昇華し、影響を与えないか知りたい
「昇華に対する染色堅牢度試験」(JIS L 0854)
※染料が高温により気体となり、相手の生地に色移りする程度の確認試験です。
- 60mm×60mm又は、100mm×40mmの試験片を用意し、同じ大きさの白布を2枚で挟み込み、短辺の内1辺を縫い合わせる。
試験片をステンレス鋼板にて挟み、60mm×60mmの場合は45N、100mm×40mmの場合は50Nの荷重を加える。
荷重を加えたまま120℃の環境試験機に80分間静置させる。
環境後、試料を放冷し、変退色及び白布への汚染をグレースケールにて、9段階の判定をする。
以上です。
次回は、繊維以外の材質についてまとめさせていただきます。
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