梶テストリサーチ
株式会社KTRでは、品質試験・性能評価以外にも、
エコマークの申請・モニター・耐久試験等、開発業務支援も行っています。

粘着試験などの品質試験・性能評価などのお問い合わせはコチラから
粘着試験などの品質試験・性能評価などのお問い合わせはコチラから

トップKTRニュース第15回 PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)について

KTRニュース

株式会社KTRへのご依頼・お問合わせは、TEL:072-997-3471
メール ktr@office.zaq.jp でも受け付けております。

過去配信済みのKTRニュース

(1) 化学物質の安全性クリックで開閉します24ニュース掲載中!
(2) 粘着剤関係クリックで開閉します13ニュース掲載中!
(3) 分析関係クリックで開閉します12ニュース掲載中!
(4) プラスチッククリックで開閉します18ニュース掲載中!
(5) 商品試験クリックで開閉します28ニュース掲載中!
(6) 化学物質の法律クリックで開閉します11ニュース掲載中!
(7) 商品の耐久性クリックで開閉します12ニュース掲載中!

KTRニュース動画

KTR youtube 株式会社KTRのYouTubeページ
チャンネル登録は↓こちらから

YouTubeで一部のKTRニュースの動画配信中!

youtube 最新回

youtube 最新回

youtube 動画配信リスト

第001回「LD50」について
第002回「ストレスクラック」について
第003回「促進試験」について
第004回「N(ニュートン)」について
第005回「製品の安全性(有害物質)」について
第010回「VOC(揮発性有機溶剤)シックハウス症候群」について
第011回「RoHS(ローズ」について
第012回「安全係数)」について
第013回「環境マネージメントシステム」について
第014回「アクリル」について
第016回「可塑剤」について
第017回「水と油はなぜ混ざらないのか」
第021回「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について1
第023回「積層造形(ラピッドプロトタイピング)」について
第024回「ボールタック試験(粘着性の試験)」について
第025回「化学物質の安全性」について
第026回「硬さ」について
第027回「蛍光X線分析機」について
第028回「熱可塑性プラスチックの熱分析」について
第031回「かび」とは何か
第032回「製品の耐久試験」について
第033回「扇風機の寿命は何年か」
第035回「色」
第036回「CAS 番号(キャス バンゴウ)」について
第037回「粘着剤」について 1
第038回「界面活性剤(かいめんかっせいざい)」について
第041回「周期律表と蛍光X線分析」
第043回「無毒性量(むどくせいりょう)」について
第044回「ゴム」について
第046回「環境マーク」について
第048回「耐光試験(たいこうしけん)」について 1
第049回「耐光試験(たいこうしけん)」について 2
第052回「ガスーマス(GC-MS:ジーシー/マス)分析」について
第053回「プラスチックの添加剤」について
第054回「臭いとVOC(ブイオーシー)」について
第056回「粘着テープ関係のJIS規格」について
第058回「ボールタック、粘着力、保持力の関係」について
第059回「プラスチックの見分け方(赤外分析)」について2
第060回「赤外分析」について
第062回「チタン」について
第063回「超撥水性(ちょうはっすいせい)」について
第064回「ポリプロピレン(PP)の劣化」について
第066回「エラストマー」について
第067回「赤外線分析(IR)」について
第068回「EN71-3の規制物質増える」
第070回「ABS樹脂(プラスチック)の劣化」について
第073回「トスカ(TSCA)」について
第075回「粘着剤」について 2
第079回「内部応力(残留応力)」について
第081回「in vitro(イン・ビトロ)とin vivo(イン・ビボ)」について
第083回「皮膚感作性」について
第090回「膠(にかわ)」について
第098回「繊維製品の物性試験」について
第099回「繊維製品の染色堅牢度試験」について
第100回「防水・耐水・撥水」について
第101回「医療用粘着テープ」について
第102回「マイクロスコープ」について
第103回「粘着製品の老化試験」について
第104回「毒」について
第105回「DHAとEPA」について
第106回「皮膚刺激性」について
第107回「ポリビニールアルコール(ポバール)」について
第108回「きのこ」について
第109回「布テープの粘着力要素(試料幅、圧着力等の違い等)」について
第110回「ポリマーアロイ」について
第111回「離型紙(りけいし)」について
第112回「エコマーク」について
第113回「濡(ぬ)れ性(せい)」について
第114回「乳酸菌」について
第115回「ウレタンジェル(耐震マット)」について
第116回「大理石(だいりせき)」について
第117回「ワクチン」とは何か
第118回「酵素(こうそ)」とは何か
第119回「粘弾性(ねんだんせい);レオロジー」とは何か
第120回「粘弾性(ねんだんせい);レオロジー」とは何か 2
第121回「オレフィン樹脂」について
株式会社KTR YouTubeチャンネル

KTRニュース配信お申込み

KTRニュースは、ご希望の方に月一回程度配信させて頂いているサービスです。
KTRニュースは無料です。

お名前とメールアドレスをご入力後、配信希望をクリックして下さい。

お名前  迷惑メール防止のため、英数字のみでは登録できません。
メールアドレス
 

直接メールでも受け付けております。
メール送り先 
(メールソフトが立ち上がりますので、そのままお送り下さい。なお、必ずお名前を併せてご連絡下さいませ。)

個人情報保護

株式会社KTRでは、お問い合せなどでご提供して頂きましたお客様の個人情報を厳密に保管管理し、 弊社の業務遂行に必要な最小限の利用以外の目的には一切使用致しません。

第15回目

第15回「PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)」について

◆今回は、「PBB(ピービービー),PBDE(ピービーディーイー)」についてです。

「PBB,PBDE」とは、何かと思われている方がほとんどだと思います。 これは、「RoHS(ロース)」の指定有害物質の6物質の中にあるものです。 今回のRoHSの基準制定がなければ、一生おめにかからない物質かもわ かりません。

RoHS「ロース、ローズ」
電気、電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限 に関する指令
特定有害物質 カドミウム、鉛、水銀、6価クロム PBB,PBDEの6つ

PBB,PBDE

それでは、PPB,PBDEとは何でしょうか。
まず、この物質の正式名を紹介いたします。

PBB: ポリ臭化(シュウカ)ビフェニール
polybrominated biphenls
(ポリブロミネイテッドビフェニール)
PBDE: ポリ臭化ジフェニールエーテル
polybrominated diphenyl ethers
(ポリブロミネイテッドジフェニールエーテル)
それぞれの英語名の頭文字を取って略して言われます。

この物質はどんな用途に使われる物なのでしょうか。
この物資はプラスチック(熱可塑性プラスチック)の難燃剤として使われます。
難燃剤とは、高温の場所に使われるプラスチックが燃えないように入れる添加剤のことです。
テレビのケースや、ドライヤーのケース等高温になる可能性があります。その時に、なにかの原因で温度が上がりすぎれば火災にもなりかねません。それで、そのような場所に使われるプラスチックに難燃剤を入れることにより、火災を防ぐようにしているのです。
今回、EUではRoHS基準でPBB,PBDEの使用を禁止しましたが、アメリカでは有害性より火災を防ぐほうが重要として禁止物質にはなっていません。
ちなみに、電気製品の火災はEUの方がアメリカより相当多いそうです。

PBBとPBDEの化学式について説明いたします。

(PBB)
(PBDE)

 


PBBにBr(臭素)が2個書いてありますが、最大10個の臭素がつきます。
それで、臭素の付く数と付く位置により、PBBには209種類の物が存在することになります。
これは、PBDEでも同じ事で、Br(臭素)が1個から10個まで付き、そして付く位置の組み合わせにより209種類存在します。
そのため、物質名の頭にpoly(多い)の頭文字が付いています。

したがって、PBBとPBDEの分析はかなり手間隙がかかります。

それではもう少し、化学式名につきまして説明いたします。
化学式には接頭語と言うものがあります。数を表す接頭語がよく使われます。

モノ mono 1
di 2 ビス(bisも使う)ビ(bi)
トリ tri 3
テトラ tetra 4
ペンタ penta 5
ヘキサ hexa 6
ヘプタ hepta 7
オクタ octa 8
ノナ nona 9
デカ deca 10
ウンデカ undeca 11
ドデカ dodeca 12
トリデカ trideca 13
ポリ poly 多い

今回のPBB,PBDEはBr(ブロム:臭素)が付いた多くの種類が含まれているので、多い(ポリ:poly)が頭についています。

PBはbi(ビ:2)の接頭後です。フェニール(亀の甲)が2個あることを表しています。
PBEのはdi(ジ)で、おなじ2の接頭語です。
同じ2を表すのに、diとbiがあるのは少しややこしいですが、規則を知ってしまえば、そんなに難しいことはありません。

そこで、これらに個別に対応するだけでは十分ではないので、企業として、全体的に取り組むためにEMS(環境マネージメント)の考えかたがでてきました。
また、これまでは問題が起こってからの対策(後手対策)が主だったのですが、これを事前に防止するための仕組みとしてもEMSが重要視されてきました。

PBBとPBDEとの違いは何でしょうか。
PBBとPBDEの化学式を見てもらいますと、よく似ていますね。
でも、少し違いがあります。
違いは、亀の甲(六角形)と亀の甲が横に2個並んでいますが、そのつながり方が違っています。
PBBの方は線だけでつながっていますが、PBDEの方は線だけでなく-O-と酸素が中に入っています。
このように、酸素(O)がつながったものをエーテルと言います。
ですから、PBDEは最後がE(エーテル)でポリ臭化ジフェニールエーテルと言う名前です。

亀の甲(六角形)はフェニール(phenyl)と呼ばれます。ビフェニールとは、この亀の甲が2つつながっていることを表しています。
したがって、PBBはポリ臭化ビフェニールなので、亀の甲が2個繋がった(ビフェニール)物に臭素(Br:ブロム)が付いた物の集まり(ポリ:poly)であること表しています。

このように、化学式を見ればだいたいの名前が分かり、逆に名前が分かれば化学式がだいたい分かってくるようになります。

化学は敬遠されがちですが、規則が分かってくればだんだん親しみがわいてきます。

では、なぜこの物質が使用禁止物質に指定されたのでしょうか。
一つには、この物質自身が毒性を持っていると言われています。
世界中のほとんどの動物に微量ですが体内に入っているそうです。
それと、これを燃やすとダイオキシン並みの猛毒な臭素化合物が発生する可能性があるそうです。

今回はPBBとPBDEについて説明させてもらいました。化学物質の規制についてはますます厳しくなりそうです。「安全」と「安心」はこれからの商品開発のキーワードになってきそうです。その中で、化学物質の安全性はもっとも重要なものになっています。

このKTRニュースは皆さんに役立つように発行しています。
自由にリンクしていただいて活用してください。

KTR youtube

 YouTubeで一部のKTRニュースの動画配信中!  株式会社KTRのYouTubeページ

お問合せ、相談は無料です。お気軽にお問合せ下さい。

KTRへのお電話はコチラから KTRへのメールでのお問い合わせはコチラから KTRへのお問い合わせはコチラから

バックナンバー

Copyright (c) KTR Corporation. All Right Reserved.