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第20回目

第20回「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保

今回のKTRニュースは「HACCP(ハサップ)システム」について、紹介させてもらいます。
これを見られたり、聞かれたことがある人もおられるかもしれません。

アメリカ産輸入肉の関係で、食品に対する関心が高まってきています。
O-157(オーイチゴナナ)の食中毒事故とか、鳥インフルエンザ等食品に対する安全性に対して不安も高まっています。
これらを防ぐ手段の1つとして、このHACCP(ハサップ)が注目されています。

「HACCP(ハサップ)」食品の安全性確保

これは、食品の安全性を保証するためのシステムです。
「ハサップ」、「ハシップ」、「ハセップ」などと呼ばれます。
これは、次の英語の頭文字を取ったものです。

azard (ハザード)  危害
nalysis   分析
 
and
   
ritical (クリテカル)  重点
ontrol (コントロール) 管理
P P oint (ポイント)

「危害要因分析と重点管理方式」とか
「危害要因分析と必須管理点管理方式」とか
「危害分析重要管理方式」とか言われています。

Hazard(ハザード:危害)は食品とともに口から入った時に、お腹を
こわしたり熱を出したりする原因となるものをいいます。

 

< HACCP(ハサップ)の具体的な内容 >
HACCP方式は、原料の入荷から製造・出荷までのすべての工程において、あらかじめ危害を予測し、その危害を防止(予防、消滅、許容レベルまでの減少)するための重要管理点(CCP)を特定して、そのポイントを継続的に監視・記録し、異常が認められたらすぐに対策を取り解決するので、不良製品の出荷を未然に防ぐことが出来るシステムです。

HACCP方式を導入した施設において、必要な教育・訓練を受けた従業員によって、定められた手順や方法が日常の製造過程において遵守されることが不可欠です。

<家にあったミネラルウォーターのダンボール表示>

< HACCP(ハサップ)の具体的な内容 >
これは、アメリカのアポロ計画で宇宙飛行士が食中毒にかからないために考えだされたシステムです。

世界には多くのHACCPシステムが存在します。

< 日本版HACCP(ハサップ) >
日本版HACCPシステム 「総合衛生管理製造過程」 (略称マルソウ)は食品衛生法で決められています。   
厚生労働省によって、1996年5月に施行されました。

対象製品は次のものです。将来的には全食品に適用しようと しています。

乳・乳製品、食肉製品、魚肉ねり製品などの製造基準のある商品

通常は左側のマークを使用。
ただし表示スペースが小さいものの場合は、右側のマークでも良い。
 
<家にあったハムの表示> 
<家にあった焼きブタの表示>

厚生労働大臣により承認されたHACCP(ハサップ)システムにより衛生管理が行われている工場等で製造された商品に表示することが出来る

< HACCP(ハサップ)の種類と統一化 >
世界中には国ごとや1国の中でも複数のHACCP基準があります。
これだけ輸出や輸入の多い時代に国ごとに基準が違っていますと非常に不便なことになります。
そこで、これらを統一するためにISO規格が作成されました。
これが、次のISO(アイエスオーまたはイソ)規格です。


ISO 22000 「食品安全マネジメントシステム - フードチェンの組織に対する要求事項」
  2005年9月1日に発行されました。

これは、下に書きましたように、HACCP(ハサップ)とISO(アイエスオー)9001(品質管理の規格) を合わせたものになっています。
HACCP(ハサップ)はあくまで食品の安全性に関する規格なので、品質管理全般にたいする規格にはなっていません。そこでベースにISO(アイエスオー)9001を入れる必要があったのです。

HACCP(ハサップ) + ISO(アイエスオー)9001 = ISO(アイエスオー)22000

< ISO 22000の内容 >
ISO2200の内容は次のようになっています。

基本は次の7原則、12手順です。

1, HACCPチームの編成  
2, 製品の特性についての説明  
3, 意図する用途の確認  
4, 製造工程一覧図(フローダイアグラム)の作成
 
5, フローダイアグラムについての現場検証  
     
6, 各段階における危害とその防除方法のリストアップ 原則 1
7, CCPの決定 原則 2
8, CCPに対する管理基準の設定 原則 3
9, CCPに対する監視・測定方法の設定 原則 4
10, 基準からの逸脱時に取るべき修正措置の設定 原則 5
11, HACCP方式の検証方法(確認試験)の設定 原則 6
12, 記録保存及び分書作成要領の規定 原則 7

< HACCPを取り決めている食品衛生法の説明 >
不良な食品の消費により食中毒や感染症その他の事故が生じないよう、食品、食品添加物についての表示の基準等を定めている。
表示対象となるのは容器包装に入れられた加工食品であり、食品の名称、消費期限、賞味期限、保存方法、製造所所在地、製造業者氏名、使用された食品添加物等の表示が義務づけられている。
食品衛生法は次の6つより構成されています。

(1) 規格基準
  食品および添加物の成分規格
  製造、使用、保存の基準
(2) 表示基準
  公衆衛生の見地からの表示
(3) 食品監視と衛生管理
  立ち入り検査
  食品衛生監視員
    (検疫所では輸入食品監視、保健所では営業者に対する監視指導 及び国内流通品の監視)
  HACCP(総合衛生管理製造過程)の承認制度
  食品衛生管理者、食品衛生責任者、食品衛生推進員
(4) 営業許可
(5) 施設基準
(6) 管理運営基準

< 食品添加物の説明 >
食品添加物とは、それ自身のみで食品として通常食べられることは無く、また、食品の典型的な材料として用いられないもので、食品製造、加工する際、いろいろな目的で食品に添加されるものです。
ただし、昔から一般に食品と考えられてきた砂糖や食塩などは除かれます。
食品添加物はつぎの4つに分類されます。

1, 指定添加物 349 種類
2, 既存添加物  450 種類
3, 天然香料 612 種類
4, 一般飲食物添加物 104 種類

 

< まとめ >
以上、HACCP(ハサップ)を中心に食品の安全確保のための仕組みの説明をしてきました。
食品の安全性は他の商品に比べて最も厳しいものです。最近は食品以外の商品につきましても、誤飲、接触、吸引等安全性について感心が高まってきています。
それらの対応を考えるベースとして、食品の安全性についてある程度の理解は必要ではないかと思います。

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