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◆4回目のKTRニュースのテーマはN(ニュートン)です。
力の単位 N(ニュートン)
最近ニュートン(N)と言う言葉を聞いたり、読んだりすることが増えてきたのではないでしょうか。
このN(ニュートン)とは力の単位です。今までは、プラスチックフイルムの引張り強度はkgの単位が使われてきました。
ところが、最近では、kgの代わりにN(ニュートン)の単位が使われている事が増えてきました。
ほとんどの場合はこの内容で十分です(中学校で教えている内容)。もう1歩詳しく表しますと、
1N=0.102kg(102g)となります(高校で教えている内容)。
以上の内容さえ知っていれば、N(ニュートン)の単位が使われている時のkgへの換算ができます。
それでは、なぜkgを使わずに、ややこしいN(ニュートン)を使うことになったんでしょうか。
これには、スペースシャトルに代表される宇宙時代が反映されています。
仮に、5kgの重さのある机があったとします。
地球上では5kgですが、スペースシャトルの中では重力がありませんので重さは0(ゼロ)になります。
また、月の上では重力が地球の1/6ですので、0.83kgになります。
と言うことは、重さは場所によって違うと言うことになります。しかし物固有の何かは変わらずあるはずです。これを質量と名づけます。
ここに、重量と質量の分離が始まります。
質量の単位はkgです。
それに対して、重量の単位も今までは質量の単位と同じkgでした(正確にはkgwと表示してました:wはweight)。
これは、質量(mass)に地球の重力が働いていることは当然だったので、このように表示されていたわけです。
しかし実際は反対で、まず重量があり、後から質量と言う抽象的な概念がでてきたわけです。
先ほどの机の重さが地球とスペースシャトルと月で重さが変わると言いましたが、変わらない物が質量です。
ニュートンの有名な運動法則がこの質量と重量(力)の関係を表しています。
今までは、このW(重さ:力)の単位にkg(kgw)を使ってきたわけです。
そこで、重量の単位(力の1種)と質量の単位を分けようと言うことになったわけです。W 重さ(力)の単位 | N(ニュートン) |
m 質量の単位 | kg |
それでは、なぜ1N(ニュートン)=0.102kgなのでしょうか。
地球上では、重力が働いていて、その重力の強さ(加速度)は9.80665m/s2です。
この重力はどのようにして、大きさを測定するのでしょうか。
これは、落とす高さと、地面に落ちる時間との間には一定の関係があり、この関係式から重力加速度を求めます。
h=1/2gt2 | ||
g=(2h/t2) | ||
h ;落下高さ m | ||
t ;落下するまでの時間 s(秒) | ||
g ;重力加速度 m/s2 |
高さ(m)と、落下時間(秒)を測定すれば、重力加速度が求まります。
1mの高さから、物を落とすと0.45秒に地表にぶつかります。この事を正確に測定して、重力加速度が決まっています。
これに対しまして、N(ニュートン)の定義は、次のようです。
1N(ニュートン)=質量1kgに1m/s^2の加速度を与えることが出来る力
したがって、1kgの質量の重さ(力)は1kg×9.80665Nとなります。
1kgw(力)=1kg×9.80665(m/s2)N | |
1N | =1/9.80665kg |
=0.102kg |
以上の計算で、1N=0.102kgと言う関係が求まりました。
時間の単位は秒で、長さの単位はメートルで、どちらも相互に無関係に決められたために、重力の加速度が9.80665m/s2のようにきれいな数字ではなく、端数が付く数値になったわけです。
物理的には、N(ニュートン)の方がわかりやすくて、扱いに便利ですが、今まで、力の単位にkgを使いなれた者にはなかなか馴染めない単位です。ですから、1N=0.1kgと割り切って考えるのが一番抵抗のない考え方だと思います。
今回はN(ニュートン)と言う単位の話で、理屈っぽい話になりました。YouTubeで一部のKTRニュースの動画配信中! 株式会社KTRのYouTubeページ